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ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 農林技術研究所 > 研究所ニュース > 詳細

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更新日:2012年8月1日

静岡県農林技術研究所

No.16/ 2012年8月/ 研究所ニュース

視点

林業の再生を加速化する技術開発を目指して         森林・林業研究センター長   伊藤 副武

 当センターは、昭和32年に天竜林業地帯の玄関口である当地(浜松市浜北区)に林業試験場として開場し、今年度で55年目を迎えます。
 設立した当時は、戦後復興期の高度経済成長期へ向かう時期で、旺盛な木材需要に応えるため、伐採跡地に成長の早い品種を植林するための育種・育苗、林地肥培などの技術開発に取り組むことで、森林資源の造成に貢献してきました。
 県内には美しく雄大な富士山や南アルプスをはじめ、白砂青松と称えられる海岸線、金原明善翁の植林活動に代表される天竜美林、戦後の大規模一斉造林による富士山麓のヒノキ林などの豊かで多彩な森林が広がっています。
 現在は、先人の努力により造成された人工林が一斉に主伐期を迎え、この森林資源の循環利用を通じて、持続的な森林経営を確立することが求められており、当センターでは「県内の森林を、伐採・活用し、植えて、育てる」ための技術開発に力を入れているところです。
 今後は、特に森林資源の循環利用の障害となっている伐採後の再造林及び育林のコストを下げる、トータル的な仕組を構築する研究に力を入れて行きたいと思っています。
 具体的には、成長が早く、強度があり、無花粉を併せ持つ苗木品種の開発、さらに苗木生産から植林や保育の各段階で経費を削減できるコンテナ苗木による次世代型の省力造林システムの開発に取り組むことが必要と考えています。
 このシステムが実現したときに、わが国が外国からエネルギーや資源を輸入している中で、再生可能で豊富な森林資源を活用した林業が成長産業となり、地域振興に貢献することができる日が来ると確信します。

トピックス

東海地域農業関係試験研究機関連携シンポジウム

テーマ「6次産業化に資する研究成果の紹介」
1 期  日   平成24年8月30日(木) 13:30~16:20
2 場  所   アクトシティ浜松 研修交流センター62(浜松市中区板屋町)
4 募集人数   100人(要申込:先着順)
5 参 加 費   無料
6 申込方法   本ホームページの「お知らせ」に掲載した開催チラシ裏面の参加申込書に必要事項を記入の上、FAX、郵送、Eメールでお申込みください。

研究情報

花や果実の香りがするお茶を開発中(新成長戦略研究)

画像:香りとMMS含量を高める低温静置処理

香りとMMS含量を高める低温静置処理

 最近の消費者調査によると、消費者が茶に香りと健康効果を求めていることが報告されています。
 そこで、茶業研究センターでは、昨年度から3カ年の計画で「花や果実の香りがあり、併せて健康効果の高いお茶(=静岡型発酵茶)」の開発に取り組んでいます。目指す目標は、香りが花様、果実様の香気成分量で緑茶の10倍、健康効果は抗潰瘍性成分であるメチルメチオニンスルホニウム(MMS)含量が100mg/100gです。以下が1年目の研究成果の概要です。
 ・収穫した生葉を15℃で16時間静置することにより、花や果実様の香気成分量を無処理の4.6倍に増加できました。
 ・チャノミドリヒメヨコバイの吸汁により、緑茶用品種でも果実様の香気成分であるジオールを生成することが明らかとなりました。
 ・被覆(95%遮光)と生葉の静置処理(15℃、48時間)の組合せにより、MMS含量を57mg/100gに増加できました。
 ・20代~40代の女性が静岡型発酵茶の主要な販売ターゲットであることを明確にしました。
 今後は生葉の撹拌処理や保管条件の改良等により、香気成分量とMMS含量を目標値まで高めるとともに、これらの技術の組み合わせと実証に取り組む計画です。
            (茶業研究センター 栽培育種科 鈴木康孝)

地球温暖化が南アルプス南限のお花畑に及ぼす影響は?

画像:

 森林・林業研究センターでは、地球温暖化が森林・林業に及ぼす影響を調査しています。去る6月30日に、大気環境学会植物分科会が静岡県立大学で一般向けに開いた講演会で、当センターの研究成果をポスター発表しましたので、その概要を報告します。
 「南アルプス南限のお花畑に地球温暖化の影響はあるか」と題して、中ノ尾根山(浜松市天竜区水窪町:標高2,220m)高山植物群落の30年間の変化を調査した結果を発表しました。中ノ尾根山のお花畑は、ここを南限とする高山植物にとって厳しい生育環境です。また、標高が低いことから、地球温暖化の影響を非常に受けやすい場所であると考えられます。そこで、3年間にわたり植物相の調査を行い、年間の平均気温が0.5℃低かった30年前に行われた既往の報告と比較しました。調査の結果、109種の植物が確認され、その内ミヤマキンバイやハクサンイチゲなどの20種が、ここを南限とする高山植物でした。今回の調査で確認できず、消滅した可能性があるものはチャボゼキショウの1種のみでした。このため、現時点では植物相に対する地球温暖化の影響は大きなものではないと考えられます。しかし、調査中にニホンジカによる食害を確認したことから、こちらの方がお花畑にとって脅威と考えられます。今後も、引き続き調査を行い、「南アルプス南限のお花畑」の植物相の変化を把握していきます。
            (森林・林業研究センター 企画指導スタッフ 山口 亮)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466