• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 農林技術研究所 > 研究所ニュース > 詳細

ここから本文です。

更新日:2012年9月26日

静岡県農林技術研究所

No.17/ 2012年9月/ 研究所ニュース

視点

施設園芸のこれから                                     研究統括監 堀内 正美

静岡県は、三保で促成栽培したナスが徳川家康に献上されて以来、施設園芸の先進を走り続け、全国的な施設大規模化のさきがけは、1974年に浜松市に設置されたフェンロー型温室(大久保園芸、ミツバ養液栽培、2.8ha)でした。
全国的には、植物の周年生産・計画生産が可能な植物工場が注目され、農林水産省と経済産業省が対策事業を実施し、全国に実証・展示・研修を行う拠点が整備されています。
これから、施設園芸はどこに進むのでしょか?
我々は、昨年度から研究課題「施設園芸における周年安定生産を目指した省エネ高度環境制御システムの開発」をスタートしました。
石油や化学肥料の依存度の低減と高度な環境制御による高品質安定生産を両立させるため、既存の栽培温室において年間を通じて適切な環境条件を創出できる低コスト型の高度 環境制御システムを開発することが目的です。
植物工場には多額な投資が必要ですが、既存の温室に環境制御施設を付加することにより、低コストで同等の能力を発揮する施設に改良します。高品質安定生産のためには、施設環境制御などの技術だけでなく、栽培の技能も必要です。開発しつつあるこれらの技術と生産者の技能が相まって農芸品生産がさらに高まるものと考えています。

トピックス

果樹研究センター秋季研究成果発表会、農林技術研究所公開デー

【果樹研究センター秋季研究成果発表会】
日時:平成24年10月23日(火)13:00~16:00
場所:伊豆の国市長岡総合会館アクシスかつらぎ(伊豆の国市古奈255)
概要:一般県民、果樹農業経営士・青年農業士をはじめとする果樹生産者、JA果樹技術者等を対象に、研究成果をお伝えします。
問合せ先:果樹研究センター 054-334-4850

【農林技術研究所公開デー】
日時:平成24年11月17日(土)10:00~15:00
場所:農林技術研究所(磐田市富丘678-1)
概要:農林技術研究所を一般公開します。研究成果の展示、温室ガイド&クイズラリー、園芸相談などを行います。
※農林大学校「農大祭」も同時開催です。
問合せ先:0538-36-1553(企画調整部)

研究情報

低温栽培でも肥大しやすい温室メロン「静育1号」の育成

画像:

本県特産の温室メロンは周年出荷されるため、冬季の暖房コストの低減が強く求められています。農林研では、暖房コストの2割削減を目標に、低温で栽培しても肥大しやすい温室メロンの育種に取り組み、「静育1号」を育成しました。
「静育1号」は、冬季栽培用の食味に優れる品種に突然変異を起こさせ、慣行より低い夜温で栽培しても元品種より大きくなる個体を選ぶことで育成したもので、収穫日数や食味や糖度は元品種とほぼ同等で、肥大性や外観が優れています。
暖房費を低減するための温度管理を新たに考案し、「静育1号」と産地で利用している系統を交配したF1雑種を生産者温室で栽培したところ、夜間の暖房温度を平均2℃低くしても、肥大性に優れ、従来と同等以上の品質を持つ果実生産が可能なことを実証できました。暖房温度の2℃低下は20%の暖房コスト削減に相当するため、産地全体では年間5億円の低コスト生産が期待できます。
「静育1号」の種子は県温室組合の各支所に配布しています。また、品種特性や低温で栽培するための省エネ型の温度管理については、「H24あたらしい農業技術(H25年3月発行予定)」で紹介しています。
                                       (農林技術研究センター 育種科 種石 始弘)

「賀茂十一野菜」で伊豆観光の活性化を図る

画像:

 伊豆農業研究センターでは、地域の資源である自生植物を活かした新商品の開発を通じて、伊豆観光活性化に向けた支援を行っています。伊豆半島南部の里山の林縁や海岸を中心に、食用可能な自生植物の探索調査を実施したところ、草本、木本およびシダ類について合計103種類確認できました。また、併せて地域内の在住者に利用実態調査を行い、どのような形で自生植物を利用しているかについて確認しました。その結果、ノビル、ツワブキは85%以上の在住者が食べた経験があると回答しました。他にもモミジガサやオカヒジキなど、現在でも地域内で多様な料理方法で利用されているものがありました。一方、伊豆地域ではほとんど未利用ですが、文献等で有用とされるウワバミソウ、ヤブレガサ、ボタンボウフウ等の植物も多く確認できたことから、これらの内、新規野菜類として特に有望とされる11種類を「賀茂十一野菜」として選定しました。
 これらの植物の一部は現状、山菜として一部利用されている状況ですが、今後は野菜として農業者などが安定して高品質な生産ができるよう、生態の解明と栽培技術の確立を進めていきます。また、地域内の旅館組合や料理店と連携し、地場の水産物ともあわせて、季節感のある新たな新商品を開発していきます。
                                        (伊豆農業研究センター 栽培育種科 山際 豊)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466