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更新日:2013年7月29日

静岡県農林技術研究所

No.22/ 2013年8月/ 研究所ニュース

視点

静岡県における新しい中晩柑の品種動向 果樹研究センター長 多々良 明夫

 中晩柑とは、1~5月頃に収穫される温州みかん以外のかんきつ類を表す総称です。
 最近静岡県で栽培されている新しい中晩柑の品種を御存知でしょうか。デコポンの愛称で知られる‘不知火(しらぬい)’は‘清見’と‘ポンカン’との交雑種です。そのほか、静岡、伊豆で増えている‘はるみ’(清見×ポンカン)、浜松の無加温ハスウで作られている‘せとか’([清見×アンコール]×マーコット)、伊豆で導入されつつある、ニューサマーオレンジに似た‘はるか’(日向夏の偶発実生)と‘はるひ’(スイートスプリング×トロビタオレンジ)、清水発祥の‘こん太’(ニンポウキンカンの枝変わり)などがあります。
 また、栽培はこれからですが、‘たまみ’(清見×ウイルキング)、‘津之輝(つのかがやき)’([清見×興津早生]×アンコール)、‘麗紅(れいこう)’([清見×アンコール]×マーコット)、‘べにばえ’([林温州×福原オレンジ]×アンコール)などが後に続く有望品種です。似たような名前が多く、私も時々混乱してしまいます。
 残念ながら、これらは当センターが生み出した品種ではありませんが、現場で増えている品種について、当センターでもさまざまな研究を行っています。‘はるみ’と‘不知火’は樹勢が弱いため、安定生産ができる台木の選抜や長期出荷のための貯蔵方法の研究、また、‘こん太’は種子が多いため、種子を少なくする研究を行っています。さらに、原油高騰の折、ハウスミカンの施設を利用して、無加温で高品質安定生産ができる品種の探索を行っています。
 今後1月以降に店頭に並ぶ中晩柑は、ますます多様になるでしょう。御紹介する時期が悪かったですが、是非、来年までこのことを覚えていて、温州みかんに加え、多くの異なる味の中晩柑類を御賞味ください。

トピックス

【お知らせ】静岡県森林・林業研究センター振興協議会講演会

テーマ「木材を安定的に供給するために ~森林情報の活用~」
1 期  日   平成25年8月7日(水) 13:40~15:50
2 場  所   静岡県浜松総合庁舎9階会議室(浜松市中区中央1丁目12-1)
3 募集人数   80人(申し込み不要)
4 参 加 費   無料

研究情報

「白葉茶」ってどんなお茶?

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 白葉茶(はくようちゃ)は、黄白色の新芽を加工したお茶で、一般的な緑茶に比べて旨味成分のアミノ酸が2倍~3倍多く含まれているのが特徴です。
 高級茶で知られる玉露やかぶせ茶は、新芽の生育期に適度に遮光することで濃緑色でアミノ酸を多く含むお茶になりますが、白葉茶はほぼ完全に遮光(強遮光)することで葉緑素が逆に低下して新芽が黄白色に変化し、アミノ酸含量がさらに多いお茶になります。
 中国や国内には新芽が黄色になる品種が極僅か栽培されていますが、強遮光による白葉茶生産技術は緑茶系品種から紅茶系品種まで様々な品種で利用できるため、茶樹を植え替えることなく白葉茶が生産できます。
 平成24年度に共同研究機関のJAハイナンが白葉茶を商品化(白葉美人、価格1,000円/30g)し、本年度は県内18か所で白葉茶の現地実証試験を行っており、今後さらに白葉茶のブランド化を進めていく予定です。
(茶業研究センター栽培育種科 上席研究員 小林栄人)

ナラ枯れの被害拡大防止に向けて

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 ナラ枯れは、コナラ、ミズナラなどのナラ類やカシ類などが集団で枯死してしまう樹木の病気です。かつては日本海側が主な被害地でしたが、2000年代に入り急速に拡大し、太平洋側でも被害が発生し始めました。ナラやカシ類は緑化樹やシイタケ原木などとして利用されており、被害の拡大が憂慮されます。
 そのため、森林・林業研究センターでは、2008年から県内各地でナラ枯れやそれを媒介するカシノナガキクイムシの分布やその動向を調査してきました。
 その結果、県内での被害は既被害地である長野県南部や愛知県からの侵入と、突発的に発生する2つの系統があることが分かり、2010年には浜松市の2か所でそれぞれの系統のナラ枯れが確認されました。その後、愛知県から侵入したものが浜松市北区で次第に被害を拡大していきましたが、それ以外ではあまり拡大していません。また、伊豆半島南部でも、被害は出ていないもののカシノナガキクイムシの生息密度が高い場所が見つかりました。
 被害はカシノナガキクイムシの生息密度が高くなってから顕在化することが分かり、誘引トラップを使うことで初期被害の発見が可能となりました。
今後は、市町などと協力し被害の初期段階における発見・防除を行い、被害の拡大を防止していきたいと考えています。    (森林・林業研究センター森林育成科 上席研究員 加藤 徹)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466