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更新日:2021年2月1日

静岡県農林技術研究所

No.67/ 2021年2月/ 研究所ニュース

視点

林木育種のあゆみ 森林・林業研究センター技監 川合正晃

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無花粉スギ「三月晴不稔1号」

 林木育種事業は、林業の生産力増強を図る一つの手段として始まりました。特に静岡県は、昭和29年から他県に先駆け、県内の民有林の中から成長量の優れたスギの選抜を始めました。その後、昭和32年に県の林業試験場が設立され、林木の育種研究に本格的に着手しました。国も昭和31年「林木育種事業方針」を制定し、国立林木育種場を設立しました。当時、県内の民有林から選び抜かれた成長量の優れたスギ51系統、ヒノキ27系統は精英樹と称され、現在の本県の林木育種研究の礎となっています。
 スギ・ヒノキの種子は、昭和7年には県が生産し、払い下げが行なわれていました。当時は苗木生産者が近隣の採りやすい種子を採種し、育苗出荷していましたが、昭和35年から優良苗木を山に植えることを目的に、県によるスギ・ヒノキの山行き苗木の確認制度がスタートしています。その頃の種子生産は、地上20m以上の木の梢に人が昇る危険な作業でした。この木登りによる種子採取が、平成2年まで続きました。育種場に造成した採種園は、昭和45年から種子の生産が始まり、以降、研究により豊凶による生産量の増減も安定し、発芽率低下の原因となったカメムシ対策技術も確立され、成長の優れた精英樹由来の苗木が継続的に県内の山に造林され、現在に至っています。
 成長目的以外の育種も、時代の要請に応じ取り組まれました。寒風害の被害対策としてスギ・ヒノキの気象害抵抗性育種、椎茸の増産に寄与すべく原木のクヌギを選抜した椎茸原木育種等が行なわれてきました。
現在、行われている育種は、大きく2つの潮流があります。一つは、成長、材質の優れたスギ・ヒノキの作出です。昭和30年代に選抜した成長量の優れたスギ・ヒノキは、当時検定林として県内の山に植えられ、その性質が材質も含め詳細に調査されました。現在は、それらの交雑により生まれた、第2世代から第3世代の育種が進められています。
 もう一つは花粉症対策としてのスギ・ヒノキの育種です。当センターでも国の林木育種センターを中心として、他県と協力して無花粉スギ品種を作出しています。
 今後は、DNA情報を使った新たな林木の育種が、地球温暖化や花粉症対策など私たちの生活や林業の振興など、多くの課題解決のために、一層研究されていくことと思われます。

研究情報

静岡県農林水産物のデータベースについて

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 本県は、東西の長さが155km、南北の長さも118kmあり、日本一高い富士山や日本一深い駿河湾など、多様で豊かな自然に恵まれています。この恵まれた環境の中で生産される農林水産物は、439品目と全国トップクラスです。
 この度、県内5研究所が連携し、本県の農林水産物の持つ機能性や栄養特性を最大限に活用するため、「農林水産物の機能性データベース」を構築しました。
 本データベースは、本県特産の温室メロンなどの主要な農産物のほか、県内に古くから栽培されている遺伝資源・在来作物も含めて、104品目(遺伝資源・在来作物28、野菜17、果樹24、茶3、水産物30、畜産物2)が対象になっています(フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターホームページhttp://www.fsc-shizuoka.com/ 内で検索できます)。
 本データベースでは、農林水産物の生理機能・フリーキーワードなどから検索が可能です。また、品目ごとの詳細ページには、農林水産物の写真、産地、学名、品種、特徴、来歴・歴史、栄養成分、時期、栽培法、学術情報などを掲載しています。さらに、その他在来作物では、食事提供場所・使用例・調理例も示してあります。今後は、このデータベースを基に6次産業化への展開や、機能性表示食品の開発、農林水産業の新たな需要創出や加工品開発の支援等に繋がるものと期待されます。
                       (農林技術研究所 加工技術科 科長 小杉 徹)

ワサビ苗の周年安定供給に向けた研究開発

画像:高温障害を受けた苗(左)と開発した技術で夏季に育苗した苗(右)

高温障害を受けた苗(左)と開発した技術で夏季に育苗した苗(右)

 2018年に世界農業遺産に認定された静岡県の水ワサビ栽培で、生産上最も大きな課題は、わさび田に植える定植苗が不足していることであり、年間約1,600万本の需要量に対し、約200万本が不足していると推計されます。ワサビは一年中定植と収穫が可能で、分根などの株の一部を使用する栄養繁殖苗と、種子から苗を生産する実生(みしょう)苗(なえ)が併用されている作物ですが、ワサビ定植苗不足の解消と周年安定供給には、増殖率の高い実生苗の活用と、暑さに弱いワサビ苗の夏季育苗方法の確立が必要です。このため、当センターでは2019年度から3年間、県の新成長戦略研究として定植苗の安定供給に向けての技術開発に取り組んでいます。 
 これまでに、種子からの苗増殖に適した県育成品種‘伊(い)づま’を用いて、専用施設での大量採種、乾燥と冷凍温度による種子の長期保存、ジベレリン浸漬と低温処理による発芽安定化、夏季の高温を回避する育苗、恒温高湿冷蔵庫による苗の長期保存についての研究に取り組み、実生苗の周年生産技術をほぼ確立しました。また、技術開発と並行して、農業協同組合および農林事務所と連携しながら、県内苗生産者への技術普及を進めています。
                  (伊豆農業研究センター わさび生産技術科 科長 馬場富二夫)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466