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更新日:2021年4月1日

静岡県農林技術研究所

No.68/ 2021年4月/ 研究所ニュース

視点

施設園芸の生産性向上に貢献する技術開発  研究統括官 大須賀隆司

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広く普及したイチゴ高設栽培システム

 本県は、温暖な気候や豊かな自然を活かし、多彩で高品質な農産物が生産されています。東部から西部地域の平野部では、冬季の日照時間に恵まれ、積雪もほとんどないことから、全国的に見ても、温室やビニールハウスを利用した野菜や花き類の施設園芸、秋から冬に収穫される露地野菜の好適地となっています。
 平成30年産における本県の野菜・いも類の産出額は672億円で、県内の農業産出額の31.7%を占め、全国15位、花き類の産出額(芝等を含む)は157億円、全国順位は5位です。生産額が多い品目としては、イチゴ、メロン、トマト、ネギ、レタス、花きでは、キク、バラ、ガーベラがあげられます。生産額が多い上位3品目は、野菜、花きともに温室やハウスといった施設で栽培されている品目です。
 本県の施設園芸品目は、「高い生産技術力」と「高品質(良食味)」といった特徴を持ち、東西の大消費地から高く評価されています。まさに、農業の芸術品、「農芸品」に相応しい農産物といえます。これらの高品質生産の背景として、これまでの技術開発や先人の努力と知恵と工夫を積み重ねた産地の長い歴史に支えられているものと思われます。
そして、当所が開発してきた「オリジナル品種」や「栽培技術」も本県の生産技術向上に貢献しています。例えば、イチゴの’紅ほっぺ’や’きらぴ香’は当研究所育成の品種です。高糖度トマト生産システムやイチゴの高設栽培、施設園芸の環境制御技術、養液栽培システム等は広く現地に普及しており、農芸品生産に貢献しています。
 さらに、現地で問題となっているトマト軟化玉の原因究明や施設花きの生産向上につながるバラ、ガーベラ等の環境制御に関連した成果も報告しています。令和3年度からは、首都圏への供給拡大を目指した『イチゴ生産を革新する「超促成」「超多収」「高収益」システムの開発』の研究課題も開始され、新たな作型開発や収穫量を拡大する新たな技術開発に取り組んでまいります。
 今後、国内外との競争を見据えた生産性、収益性の向上や、就業者の減少や高齢化への対応、海外市場の取り込みなどが課題となっています。本県の農芸品の生産振興に向けては、施設野菜や施設花きの収量や品質を高める技術開発へのニーズが高まるものと思われます。特に施設園芸に関する技術としては、温度、湿度、二酸化炭素濃度などを管理・制御する高度環境制御システムの開発や他県との差別化を図れるオリジナル品種への期待がより一層高まるものと考えられます。
 そこで、当研究所では「新たな需要を創出する品種の開発」、「規模拡大と生産体制の強化につながる先端技術の開発」を推進し、農芸品の一層の生産力強化に向け取組んでいきたいと考えていますので、今後とも、現地との積極的な情報交換等のご協力をお願いいたします

研究情報

業務用途に適した水稲品種の選定

画像:草丈が短く、倒れにくい「にじのきらめき」

草丈が短く、倒れにくい「にじのきらめき」

 ライフスタイルの変化により食の外部化が進んでおり、業務用に使用するお米の需要が増加しています。業務用のお米は2つに分けられ、外食や中食(弁当など)用途とパックご飯などの加工用途に分けられます。
 県内の実需者(お米流通業者や食品産業関係者)との意見交換に基づき、県内で特に求められている外食用や中食用に適する水稲品種として、「にじのきらめき」と「ほしじるし」の2品種を選定しました。 
これらの2品種は、業務用水稲品種に求められる「収穫量が多い・倒れにくい・味がよい」という3つの特徴を有しています。
 両品種とも、すでに県内での栽培が開始されており、令和2年の栽培面積が計45ha、令和3年は計120ha程度まで拡大する見込みです。
 特に「にじのきらめき」は、県の奨励品種(県内で拡く普及すべき優良な品種へ指定される制度)に採用予定であることから、さらなる普及が期待されます。現在、これらの品種は県内企業の社員食堂などで使用されており、今後は県内の飲食チェーン店での使用も見込まれます。
 業務用のお米の取引は複数年契約での栽培がメインのため、2品種の普及がさらに進むことで、生産者は経営の安定化が図られ、実需者は価格と品質面において安定的にお米を調達することが可能になります。
(農林技術研究所 水田農業生産技術科 研究員 後藤 弘平)

青切りミカンの酵素剝皮

画像:酵素剝皮した青切りミカン(上)とそれを丸ごと使ったジェラート(下)

酵素剝皮した青切りミカン(上)とそれを丸ごと使ったジェラート(下)

 国内の果物需要は生鮮需要が61%、加工需要が39%(農林水産省 果樹をめぐる情勢 (令和2年))となっており、食の多様化や簡便さを求める背景から、加工品の需要が拡大しています。しかし、加工品の製造に必要な果実の皮剥きは包丁を使用した手作業によることが多く煩雑であることが加工品製造における課題の一つとなっております。
 静岡県のカンキツ生産は温州ミカンを主力品目とし主に12月~3月まで出荷する貯蔵ミカンを中心に生産していますが、近年、爽やかな風味と小ぶりな外観から、青切りミカンが加工原料として注目され、需要が拡大しています。そこで、果樹研究センターでは、エチレンを利用した特許出願中の「果実の剥皮方法および果実」(特開2018-166503)と酵素剥皮技術を併用し、青切りミカンを容易に剥皮しできる手法を開発し、これにより、写真の様に特徴的な外観を呈する果実として提供できることが可能となりました。開発した剥皮手法は特許出願(特願2019-158223)中であり、現在、食品メーカ等と共同で商品化を進めております。
(果樹研究センター 果樹加工技術科 研究員 飯田 康平)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466