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ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 農林技術研究所 > 研究所ニュース > 詳細

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更新日:2017年6月1日

静岡県農林技術研究所

No.45/ 2017年6月/ 研究所ニュース

視点

茶の輸出拡大に向けた茶業研究センターの取組  研究統括監 鈴木康孝

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抹茶生産の試験ほ場

 近年、茶の輸出はアメリカ、EU等を中心に、この5年で輸出量175%、輸出金額229%と大幅な伸びとなっています。特に、抹茶や有機栽培茶等について、海外からのオーダーが急増していると言われます。
静岡県では、「静岡茶輸出拡大支援チーム」を設置し、茶の輸出拡大を目指す流通販売業者や生産者を支援するとともに、茶業研究センターにおいては、「新成長戦略研究」等により、抹茶、有機栽培茶に関する研究や輸出で最も問題となる残留農薬に関する研究に取り組んでいます。
 「抹茶」については、県内で92%を占める「やぶきた」など主要品種の抹茶としての適性や、被覆資材・被覆期間、色や香りを高める生葉処理技術・蒸熱技術及び大量生産を可能とする製造機械の利用研究に取り組んでいます。今後、飲用を始め、スイーツや料理などにも幅広く利用可能な「静岡抹茶」の生産技術を確立してまいります。
 「有機栽培茶」については、県内で有機栽培に先進的に取り組む生産者の実態調査及びセンター内に設置した有機栽培ほ場での病害虫発生状況や収量・品質などを調査し、これらを基に、「生産性の高い有機栽培技術マニュアル」を作成してまいります。
 また、輸出における残留農薬基準は、アメリカ、EU、台湾など相手国によって異なるため、国の農研機構などと連携し、それぞれの国に対応した防除体系を作成しています。更に、作成した防除体系については、現地茶園での実効性や残留農薬分析等により、確実な輸出対応型防除体系の構築を目指します。
 農林水産物の輸出拡大は、本県の経済産業ビジョンにも位置づけられている重点課題です。茶業研究センターにおいても、茶の輸出拡大を支援する新たな技術開発に、積極的に取り組んでまいります。

トピックス

イチゴ新品種「きらぴ香」が品種登録

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平成26年8月に品種登録の申請を行っていたイチゴ新品種「きらぴ香」が、平成29年2月6日付けで品種登録されました。
 キラキラとした宝石のような輝きと、品の良い甘みとフルーティな香りがあることから「きらぴ香」と命名し、これまで静岡イチゴを牽引してきた「紅ほっぺ」や「章姫」に代わり、静岡県オリジナルブランドとして普及拡大していくことが期待されています。

研究情報

新品種‘古山ニューサマー’の無核化条件の解明

画像:種なしになった‘古山ニューサマー’

種なしになった‘古山ニューサマー’

 伊豆地域の特産果樹である‘ヒュウガナツ’(ニューサマーオレンジ)は自らの花粉では受粉、結実できない性質(自家不和合性)をもつため、他品種の混植が必要となります。また、生産された果実は種子が多く食べにくい点が、ブランド化推進への課題となっています。そこで、‘ヒュウガナツ’の枝変わり(突然変異)で、種の少ない点で有望な新品種の‘古山ニューサマー’について、種なしになる条件の解明に取り組みました。
 ‘古山ニューサマー’の受粉特性について調べたところ、花粉を完全に遮断した条件下であっても結実し、結実した果実は種なしになることがわかりました。この性質は「単為結果性」と呼ばれており、‘古山ニューサマー’は単為結果性を突然変異により獲得したことが明らかになりました。
 単為結果性の獲得により、種なし果実の生産が可能となるだけでなく、他品種の混植や人工受粉が不要となり、生産者の作業労力軽減にも繋がります。今後は、種なし果実を安定的に生産できる栽培条件や、生産された果実の種の有無を非破壊で判別する方法について、検討していきます。
(伊豆農業研究センター 栽培育種科 主任研究員 浜部直哉)

冷蔵庫を活用した菌床シイタケ夏季栽培技術

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 周年栽培を行う菌床シイタケ生産者にとって、近年の猛暑の長期化や光熱費の高騰等は経営上重要な問題となっています。そこで、空調設備を使用しないで夏季に安定して栽培する技術の開発に取り組みました。培養が完了した菌床を出荷用の冷蔵庫に2日間入れた後、培養袋から菌床を取り出し空調設備のないハウスでシイタケを発生させました。
 その結果、冷蔵刺激を与えないとシイタケはほとんど発生しないのですが、1kgの菌床から200g以上のシイタケが収穫できました。
 このことから、通常の栽培方法に冷蔵庫による「冷蔵刺激」を1工程加えるだけで、空調設備がなくても夏季のシイタケ栽培が可能であることが分かりました。一方、使用できる品種が限られること、「冷蔵刺激」が強すぎる場合には子実体が小型化すること等の注意が必要となります。この技術に興味のある生産者や技術の導入をお考えの生産者は森林・林業研究センターまでぜひ御連絡ください。
(森林・林業研究センター 木材林産科 上席研究員 山口 亮)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466