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更新日:2021年12月3日

静岡県農林技術研究所

No.72/ 2021年12月/ 研究所ニュース

視点

持続可能な農林業の推進をめざす研究について 企画調整部長 大須賀 隆司

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持続的な農林業をめざす研究開発事例

 令和3年5月に持続可能な食料システムの構築に向け、「みどりの食料システム戦略」が農林水産省から発表されました。この戦略では、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することを目指しています。この中で、2050年までに農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現を目指し、化学農薬・化学肥料使用量の大幅な低減や次世代有機農業に関する技術の確立、園芸施設においては化石燃料を使用しない施設への完全移行、食品ロスの最小化、森林林業では木材による炭素貯蔵の最大化を図ること等が目標として掲げられています。
 このような中、県としても農林水産業の持続的発展に向けた技術革新を進めるとともに温室効果ガス削減に向けた取り組みを進めることは、将来に向けて重要な課題であると考えられます。農林技術研究所としては、これらのカーボンニュートラルの実現を目指す研究の一端を担う技術として、これまでに全国に先駆けて、施設園芸の省エネルギー化に関する研究や予防・予察にも重点を置いた総合的病害虫管理(IPM)等の研究を積極的に進めてまいりました。施設園芸が中心である本県農業にとって省エネ技術の開発は重要な課題であり、施設栽培におけるヒートポンプを併用した暖房法の開発や新規多層断熱資材を用いた研究等で成果が得られています。また、トマトやメロン栽培における天敵を利用した防除技術やイチゴの紫外線ランプを活用したダニ等の病害虫防除技術の研究開発を進め、これらの過度に化学農薬に頼らない総合的な病害虫管理(IPM)技術は、現地に普及しつつあります。さらに、温暖化が農業生産に与える影響を考慮し、高温に強い品種の育成や施設園芸における夏季夜間冷房管理技術の開発、貯蔵ミカンの腐敗対策等の研究開発も進めてきており、今後は、ゲノム情報や生育に関するビックデータを活用した育種技術の開発等にも取り組みを進めていく予定です。
 将来的に、本県農林業の持続的発展を支えながら、みどり戦略の掲げる高い目標を達成するには、今後も、またまだ多くの研究開発を進めていくことが必要となります。そのため、次年度以降展開される静岡県の試験研究機関に係る基本戦略においても「気候変動・脱炭素等の環境に配慮した持続可能な農林業の推進」を新たに取組方針のひとつに位置づけ、重点的に研究開発を進めていく所存です。

研究情報

イチゴ株の葉面積がわかる葉面積評価センサの開発

画像:葉面積評価センサのしくみ

葉面積評価センサのしくみ

 今年度からスタートした新成長戦略研究「首都圏へ供給拡大!!イチゴ生産を革新する「超促成」「超多収」「高収益」システムの開発」では、光合成の最大化を目標に葉面積管理や環境設定に関わる意思決定を支援してくれるナビゲーションシステムの開発に取り組んでいます。
 イチゴの葉は光合成の場として収量を左右する重要な要因であり、従来から下葉の除去や電照による日長延長による葉面積管理を行っています。しかし、株全体の葉面積を簡便に把握する方法がなかったため、株全体の光合成が最大となる葉面積やその管理方法は未確立でした。
 そこで、毎日の葉面積を簡便に評価できるセンサを開発しました。本センサは近赤外放射(NIR)と可視放射(VR)を計測できる2種類のフォトダイオードを内蔵し、イチゴの条間地際部のNIR/VRによって株の葉面積を推定します。
VRは葉に吸収されやすいため株内で大きく減衰するのに対しNIRはその程度が小さいため、葉面積が大きいほどNIR/VRは大きくなります。本技術により、イチゴ株の葉面積を数値的に把握し光合成最大化のための葉面積管理法を確立することによって、栽培の安定化と多収化に寄与したいと考えています。
(農林技術研究所 研究統括官兼次世代栽培システム科長 大石 直記)

「低コスト主伐・再造林手引き」の公表

画像:高性能林業機械を使用した作業

高性能林業機械を使用した作業

 静岡県の民有林で造成されたスギ・ヒノキ人工林は、その約9割が木材としての利用可能な40年生に達し、活用する時代を迎えています。しかし、木材生産にかかるコストを考慮すると森林所有者への収益還元が十分にできない場合が多く、主伐・再造林の実施を躊躇する一因となっています。
 そこで当センターでは、県森林・林業局や農林事務所の他、森林組合等の事業実施主体と連携し、低コストへ向けた伐採等の効率的な作業手法の検証を行っています。
 検証の一つとして、現場ごとに記録してもらった作業日報データを集計し、主伐を実施する際の標準的な労働生産性を分析しました。その結果、傾斜が25度未満の林地において作業道を十分整備し、プロセッサ等の高性能林業機械を使用して木材生産を行うことで、県が効率的な労働生産性の目標として定めた7.0㎥/人・日を上回る効率性が見込まれることが分かりました。
このような主伐作業低コスト化のポイントについて、関係機関と調整した上で「低コスト 主伐・再造林手引き」としてとりまとめ、県のホームページで公表しています。
URL→ http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-610/documents/teikosutotebiki1-3.pdf
(森林・林業研究センター 森林育成科 主任研究員 野末 尚希)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466